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睡眠障害:レム睡眠行動障害とは

レム睡眠行動障害とは

 レム睡眠行動障害は、レム睡眠との関係において、近年注目されている疾患で、中高年とりわけ高齢の男性に好発 し、若者や子どもにはほとんどみられません。

 このレム睡眠行動障害は、日常生活ではとくに問題のない見かけ上健常な高齢者が、睡眠時に異常な行動をとり ます。 たとえば、睡眠中の夢体験に続いて「孫がそこで泣いている」とか「犬がほえている」とか「殺される!」などと 大声をあげ、突然起き上がって配偶者を起こし、騒ぐなどの行動をとるのが特徴です。 時には夢体験に反応して、 隣に寝ている配偶者を殴ることもあり、暴力的な動作がしばしば現われます。

こうした症状が現われると、はっきり覚醒するまでに一定時間がかかります。 やがて室内の点灯などによって現実認識 ができるようになりますが、その間強い不安に襲われています。 また、連夜にわたる体験により、恐怖が強くなって、 不眠を起こすこともあります。 主な原因としては、覚醒へのスイッチメカニズムが加齢による脳の機構の変化でうまく 行われないためとみられています。 

レム睡眠行動障害と睡眠ポリグラフィ

 レム睡眠行動障害では、レム睡眠時に筋肉が覚醒時と同じように動いています。 実際、睡眠ポリグラフィ(*)の 所見では、レム睡眠時に下あごの筋肉の活動が増加します。 レム睡眠時には活動を停止しているはずの筋肉が活発 に動いているのです。 健常者の場合、レム睡眠時に怖い夢を見たとしても、筋肉は弛緩していますから、起き上がったり することはありません。 しかし、レム睡眠行動障害の場合には、レム睡眠の時に大声をあげると、筋電図には活発な 活動が記録され、飛び起きてしまうわけです。

*睡眠ポリグラフィ
 一晩の睡眠中の状態( いびき、呼吸の乱れ、無呼吸、不整脈 )を観察し記録する検査です。 脳波や眼の動き、 筋肉の緊張、呼吸、心電図、酸素飽和度( 血中の酸素量 )などを同時に記録します。 この検査によって睡眠の深さ や睡眠の質、睡眠中の呼吸の状態、けいれん発作、心臓の異常( 不整脈 )などを知ることが出来ます。

レム睡眠行動障害の治療

 レム睡眠行動障害の治療は、筋緊張を抑制する薬物療法が中心となります。 抗てんかん薬のクロナゼパムの就寝 前内服が有効です。

 レム睡眠行動障害の方は、一応見かけ上は健常ですが、CTおよびMRIの検査で微小の脳梗塞が認められる人や、 頭部外傷の既往歴のある人がいたり、また、高齢者の夜間せん妄、脳疾患、前頭葉てんかんなどとの鑑別も必要と なるので、頭部MRIなどの諸検査が不可欠となります。

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